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2013年のお正月を迎えました

あけましておめでとうございます。

去年12月24日、パリからこのホームページをオープンした夜、私はクリスマスイブの聖夜をシャンパーニュ地方ランスのノートルダム大聖堂で過ごしました。歴代フランス国王の戴冠式が執り行われてきたゴシック建築の荘厳な大聖堂です。その正面は見事な聖者や天使そして聖母マリアの彫像で飾られています。重厚な歴史を感じさせる寺院でした。藤田嗣治はここで洗礼を受け、葬儀も執り行われました。ランスの町に小さな礼拝所「平和の聖母礼拝堂」があり、今は藤田画伯の遺体もそこに横たわります。その礼拝所に藤田画伯のフレスコ画が描かれています。よく見ると、藤田嗣治が晩年を共にした君代夫人がマリア様に祈る女性たちとともに描かれています。藤田画伯自身も入口近くに描かれていますが、私はその藤田画伯の目が君代夫人をずーっと眺めていると思いました。どうぞ皆さんも藤田画伯の顔のところに立って確かめてみてください。

夜大聖堂に戻ると驚くべき装飾に出会いました。そのゴシック建築の正面のすべての彫像に色彩が投影され、素晴らしい現代テクノロジーによるカラーマッチングになっていました。100体を超えるだろうと思える彫像がそれぞれの色彩の衣をまとい、襞(ひだ)の一つ一つも別の色に丁寧に彩色されていました。中世と現代を結びつけるライトアップに感動させられたクリスマスイブでした。

その写真をお見せしたかったのですが、パリからの飛行機に預けた荷物は錠を開けられ、私のデジタルカメラがデータごと盗まれていました。感動と悲劇は背中合わせ。どうやら人間の劇的な変幻を味わう運命の年をまた迎えたようです。

そして、今年のお正月。私の巳年です。