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笑えるドキュメンタリー「舞台女優 黒柳徹子」

多忙な晩秋でした。でも久しぶりですが私の番組が流れます。

1996年から22年間関わってきた黒柳徹子さんの舞台「海外コメディシリーズ」30年をすべてまとめて集大成とする番組を完成させました。残念なことに放送は関東エリアだけですが、テレビ朝日午前10時30分から
11時40分までの特別放送です。番組名は『舞台女優黒柳徹子★さようなら・最後のステージ』です。

一般的には黒柳さんのことを「司会者・タレント」と思っている方が多いでしょうが、この番組で彼女が本業と自称する舞台女優の姿をご覧になり、きっと驚くことでしょう。彼女の新しい魅力がはっきりと見えてくる貴重な記録です。その舞台の多くを演出した故高橋昌也さんが言うように、「どうして彼女のような人ができあがったのか、そしてどうしてこれほどの舞台技術があるのか・・」と驚嘆し、そのうえで「彼女の人生が最も幸せな生き方ではないか」ということを信じたくなります。黒柳徹子という稀に見る個性の凄さを見逃せない、彼女がいつも望む「明るく、笑えて、人を幸せにする」ドキュメンタリーになっています。

平成元年にスタートし、平成とともに終わることになる「海外コメディシリーズ」の最後に彼女が敢えて選んだ舞台は、ロナルド・ハーウッド作の『ライオンのあとで』。右足を事故で切断したフランスの名舞台女優サラ・ベルナールの晩年を描いた戯曲、同じ右足の大腿部を骨折した黒柳さんが舞台のクライマックスで左足一本だけで立ちハムレットの名台詞を朗唱するシーンは、満場が総立ちで拍手を送る名場面になっています。もしあなたが人生を選ぶなら、あしたからあなたの生き方がこの場面で変わるかもしれません。 

(重延浩)