column

表参道からのメッセージ

みなさん、しばらくブログを休ませていただきましたが、コロナ時代に、いかがお過ごしでしょうか。

私にとってコロナは第二次世界大戦で食物にも乏しかった少年時代の樺太体験に次いでの、異次元の体験です。この年齢になって、「時代はこう流れるものか」という日々に身をまかせたまま、コロナの浮遊感に漂っています。でもそんな浮遊感を優しく抱くように受け止めてくれるのが一人一人の思い出であることに最近気がつきました。

テレビマンユニオンのDMにいろいろな思い出を綴ってきた2000字ほどの「表参道のメッセージ」ですが、はじめて、10年ほど前に遡って、多くの方に公開することにしました。「毎号楽しみにしているよ」と言う方々に励まされて、いつも締め切りに追われながら書いたものばかりです。これから半年ほどは毎週水曜日に10年前からの私の思いを送らせていただきます。

この文は「過去の現在形」というふしぎな時代設定になりますが、書いた時と、送る時の時差が不自然になっているところなど、少し加筆、修正いたしました。

2011年は3月11日に東日本大震災が発生した年です。それ以来およそ10年の時が流れました。そして今は透明な恐怖、コロナの感染の時代。この歴史的事象も、生涯忘れることがないでしょう。でもこうした思いがけない出来事に出逢って、私が知らされたのは人と人の交流、共感が、日々を生きることの正しい原点であるということ。そして、それを伝えるのがとても大切な「メッセージ」なのだということ。

今、表参道のオフィスの窓から、マスクをして町を行き交う人々の姿が見えます。そのひとりひとりが、みんなそれぞれの人生を生き、あの道を歩いている~そのすべての人が本当はみんなそれぞれの人生の貴重な主役なのです。自分で気がついていないだけなのです。そんな思いを私のメッセージから読み取っていただけますように・・。

重延 浩