column

優雅で自由なソーシャルディスタンス

<2021年11月1日 記> ■今まで聞いたこともなかった「ソーシャルディスタンス」という言葉をみんなが覚えた。「人と人の間を広く」というコロナ対策である。あるとき、ふと私は思った。人と人との間と書くと、それは「人間」となる。では人間の「間」とは何か? その「 . . .

カチューシャかわいや、わかれのつらさ~

<2021年7月23日 記> ■私の世代なら、「カチューシャの唄」の出だしの8小節くらいは軽く口ずさむことができる。〜カチューシャかわいや わかれのつらさ〜。この「カチューシャの唄」はトルストイの晩年の小説『復活』を舞台化して作られた劇中歌だった。島村抱月と相 . . .

人間はふしぎな愛の生命体

<2021年3月31日 記> ■人生で驚くべき惨事に襲われたことが一度もないという人はいるでしょうか。バイデン米大統領が語った言葉に、私は衝撃を受けました。今のコロナで失われたアメリカ人の命が、第1次世界大戦、第2次世界大戦、そしてヴェトナム戦争で命を失った戦 . . .

デジタル系の全体主義者にならないように

<2020年12月15日 記> ■コロナが地球を飛び交う夜、表参道から空を眺める。月が少し悲しげな光を放ち地球を見下ろしている。9月の中秋の満月、10月には金星(ヴィーナス)が美しく輝き、月を誘惑するように接近した。11月の満月は半影月蝕。地球の影が満月の端を . . .

テレビマンユニオンが50歳になったとき…

<2020年2月25日 記> ■「組織は愛である」という言葉で動いた一人のメンバーがいた。初代社長の萩元晴彦さんである。萩元さんの著作『赤坂短信』をひさしぶりに開いてみる。萩元さんは自由学園の師、羽仁吉一先生が残した言葉をこの本に書き残している。「組織は愛であ . . .

自由への道連れ、ほんとうの人間らしさ

<2019年11月10日 記> ■私は椎名林檎のファンである。毎年紅白歌合戦は彼女の登場を待って過ごす。2019年11月13日リリース予定の『ニュートンの林檎』が楽しみである。椎名林檎の歌のタイトルはいつも楽しい。予定されている歌は「幸福論」、「すべりだ . . .

偶然に出逢えた「内なる精神」の言葉

<2019年8月10日 記> ■小田急線下北沢駅から表参道に向かう毎朝の出社。優先席に誘われないようにわざと扉の横に立つ。電車が出る直前にキャリーカートを引いた女性が走り込むが、寸前で扉が閉まる。「そんな」と少し恨むような表情に映画のワンカットのような魅力があ . . .

これは、人生の決め球だ!

<2019年4月30日 記> ■2019年3月22日の夜、マリナーズとアスレチックスの開幕シリーズ。私はテレビでイチロー選手の引退を、ある感慨を持って見つめていた。その夜、試合が終わっても東京ドームから帰ろうとしない観客の熱い空気。主役のイチローは球場でそんな . . .

ふりかえりみればはづかしきかな

<2019年1月31日 記> ■2019年1月1日のこと。正月の日の出も見逃す怠惰なベッドからようやく起き上がり、新聞を手に取る。その分厚さが「元旦」を感じさせる、重い新聞を持ち上げて上下に振ると、中に挟まれているチラシがどっと抜け落ちて軽くなる。その新聞を抱 . . .

運命は人生の踊り場である

<2018年10月31日 記> ■私は戦後南樺太から父の故郷札幌に引き揚げ、小学校に入学した。中央創成小学校という時計台に面した小学校だった。その時計台の針で授業の終わりを心待ちにしていた。町の真ん中の大通り4丁目で子供時代を過ごした。札幌の雪まつりは私の家の . . .