column

巻頭

2012年3月 東日本大震災の被害を受けた宮城県七ヶ浜町、国際村ホールで開いた「こどもコフェスタ in 東北」のステージでのお話です。1年前に被災した子供たち100人を招き、未来へのメッセージを語り合いました。歌手のMetisは七ヶ浜の津波で壊されたピアノを自費で修復し、そのピアノの伴奏で熱唱します。

そして女優 広末涼子が祖父を失ったことを綴った少年の詩を朗読します。

 

詩 「ありがとう」

 

文房具ありがとう

えんぴつ、分度き、コンパス大切にします。

 

花のなえありがとう

お母さんとはちに植えました。

花が咲くのがたのしみです。

 

うちわありがとう

あつい時うちわであおいでいます。

 

くつをありがとう

サッカーの時とってもけりやすくて、

いっしょうけんめい走っています。

 

クッキーありがとう

家でおいしく食べました。

 

さんこう書ありがとう

勉強これからがんばります。

 

図書カードありがとう

本をたくさん買いました。

 

やきそば作ってくれてありがとう

おいしくいっぱい食べました。

 

教室にせん風機ありがとう

これで勉強はかどります。

 

応えんの言葉ありがとう

心が元気になりました。

 

最後に

おじいちゃん見つけてくれてありがとう

さよならすることができました。

(菊田心11歳)

 

七ヶ浜ホールはみんな涙で沈黙しました。自然災害から生まれた人と人との静かな心のつながり。

 

広末さんがつぶやきました。「震災から2か月たって、よそから応援に来ていた警察の方が帰ることのないそのおじいちゃんを見つけてくれたそうです。・・・言葉もありません」。そして拍手が生まれ、鳴りやみませんでした。

 

言葉のメッセージのすごさを感じた一日でした。

(重延 浩)

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