column

南北の国境を越えて流れるピアノコンチェルト

<2018年7月31日 記> ■銀座の焼肉店で久しぶりに冷麺を食べる。私の冷麺の記憶には今の時代に連なる歴史的ストーリーがある。  北朝鮮が肉眼で見える白翎島(ペンニョンド)を訪れたことがある。1993年のことである。朝鮮半島の西193キロ、黄海上に浮かぶ韓国 . . .

どの言葉にも深い意味がある

<2018年4月30日 記> ■社会は急速に変化し、各企業の新しい目標が設定される。その変化に対応する人事の異動も多く、名刺が私の机の上に何枚も重なっていく。異動した新しい所属先名はカタカナが多く、その役割の意味がわからないことも多い。そんなカタカナ新文明が進 . . .

悪魔メフィスに教えられること

<2018年1月31日 記> ■原宿のいつものレストランのいつもの席には黄色い銀杏の葉が風に吹かれて落ちてくる。「クリスマスなのに…」と店長に尋ねると、「そうなんです。最近神宮の落葉とここの落葉の時季がずれるようになりました」とその季節差に気づいていた。暖かい . . .

ジャンヌ・モローが残した別れの言葉

<2017年10月31日 記> ■パリはテロを忘れて歩くことが出来ない街になってしまった。私がはじめてパリに行ったのは1979年のことだった。私のパリは1950年、60年代の映画によって空想されていた。「モンパルナスの灯」、「男と女」、「大人は判ってくれない」 . . .

ローマは奇遇が生まれる町

<2017年7月31日 記> ■人は知っているようでも、知らないことの方が多い。世の中は知らないこと、知らない人で満ちている。しかし、道ですれ違う人々も、もし何かのきっかけさえあればそれが貴重な出逢いになったかもしれない。そう思いながら知らない町を一人で歩くの . . .

面倒でも正しいことをすることだよ

<2017年3月15日> ■一年のはじまりにどんなカレンダーを飾るかをいつも考える。カレンダーでその一年の空気が変わるような気がする。この二年はイラストレーター江口寿史さんが描いた少女とワインのカレンダーを愛用していた。少女とワインという組み合わせが意外で、し . . .

オリンピック選手の本質は表彰台だけではない!

<2016年8月31日 記> ■2016年のリオオリンピックが終わり、高揚した日々から日常に戻る。 感動は人により、国により異なるかもしれないが、それぞれの勝利の喜びがあり、敗北の悲哀がある。世界の人々が同じときに同じことをテレビジョンで見ることができる。それ . . .

「心境という言葉は私にはない」

<2016年5月31日 記> ■蓮實重彦氏が『伯爵夫人』で三島由紀夫賞を受賞した。記者会見で80歳の自分を選考したことを「暴挙」と表現した。その発言に文化と知性の風を感じたのは私だけではないだろう。蓮實氏は三島由紀夫賞を否定しているのではなく、自分自身の . . .

優れたハッカーは画家に似ている

<2016年2月29日 記> ■2016年1月24日、人工知能の父マービン・ミンスキー氏が亡くなった。88歳、脳溢血が原因だった。1951年に24歳で世界初のニューラルネットワークラーニングマシーンを開発、ロボット研究のパイオニアだった。氏はマサチューセッツ工 . . .

ピザ屋の七人の偶然の運命

<2015年11月30日 記> ■師走はあっという間に時間が走る。走り去った三六五日で記憶に残る日は少ない。日常とは「いつもらしい日々」のつながりのことを言うのだろうか。貴重な時間でありながら、それを感じないまま日々の夕刻が迫る。 「長いあいだ、ぼくは早 . . .

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